既に解説済の減価償却計算や簿価の計算と連動して計算していますので、そちらも合わせてご覧下さい。この部分だけでは動作しません。
改訂取得価額は転換点(前月簿価X償却率が取得価額X保証率より小さくなった点)以降、同じ値をずっと記憶して転換点を過ぎている事が分かる様にします。また、金型の償却では、 使用開始月によらず、12ヶ月均等で1円まで償却しますので、転換点を過ぎたのと同じ式を使い、取得価額を改訂取得価額に入れて計算します。
1.フローチャートと計算の仕組み解説
ここで計算の対象としている平成19年4月1日以後に取得する償却資産の償却費の計算において適用される償却率、改定償却率及び保証率については、国税庁の以下HPに解説が有ります。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/2106.htm
但し、上記のHPを読んだだけでは専門家でない方(私も含めて)は分からないと思いますので、もう少し易しい解説が有る資料を紹介します。「平成19年度 法人の減価償却制度の改正のあらまし」以下のリンクを参照して下さい。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/hojin/h19/genka.pdf
ここには、悩ましい平成19年3月31以前に取得済の資産に改造を加えた場合の償却の仕方も書かれています。
ここからはフローチャートとその解説です。
償却率が1(2年償却)で使用開始年月と求める月が同じかどうかを判定し、同じ場合は取得価額を改訂取得価額にする。
改訂取得価額以降は均等償却になるためです。金型の償却がこれに該当します。
償却方法が切り換わるのは1月で、それ以外の月は前月と同じため、計算するのが1月かどうかここで判定します。
1月の場合は、まず前年12月の改訂取得価額が1より大きいかどうか(1は含まない)判定し、1より大きい場合は改訂取得価額が既に入っており、転換点を過ぎているので、そのままの値を保持します。
前年12月の改訂取得価額が1以下の場合は、まだ転換点に達していなかったので、この1月に転換点に達したかどうか判定します。
今回転換点に達したのであれば、期首簿価(前年12月の償却が終わった簿価)を改訂取得価額としてセットします。
まだ転換点に達していない場合は、前月の改定取得価額(空ですが)をセットします。
1月以外は前月と同じ改訂取得価額を入れます。
2.実際の関数の解説
これがコピーの元になる全体の式です。
=IF(($K5=1)*($B5=N$4),$D5,IF(MONTH(N$4)=1,IF(M7>1,M7,IF(M5*$K5<$D5*$K6,M5,M7)),M7))
分解して解説します
=IF(($K5=1)*($B5=N$4), $D5, IF(MONTH(N$4)=1,
償却率が1(2年償却)で 取得価額を もし、求める月が1月
使用開始年月と求める月が 改訂取得価額 の場合で、
等しければ、 (1年均等償却)
にする。
IF(M7>1, M7, IF(M5*$K5<$D5*$K6,
前月の改定取得価額が 前月の改定取得価額 もし、前月簿価X償却率
1より大きい場合は、 に同じ。(既に転換点を が取得価額X保証率より
過ぎて、データがセット 小さければ(この1月に
されている) 転換点に達した場合)、
M5, M7)), M7))
期首簿価(前年12月の 前月の改定取得価額 1月以外は前月の
簿価)をセット。(転換点に に同じ。(まだ転換点に 改訂取得価額に同じ。
初めて達した1月) 達していない1月=0)
以上で一通りの解説を終わりますが、以降はこの計算表から得られた結果の集計やグラフ作成・分析(機種別償却費を求めたり、資産の種類別の償却費を求める等)の解説を行いたいと思います。
その後、現有固定資産の未来償却費を計算する式にも触れたいと思います。
ご希望があれば個々の関数の解説も可能です。素早い返事は無理かもしれませんがご意見・ご質問をお寄せ下さい。アドレスは頭の方に記載しました。