Excel関数の世界へようこそ

このブログは私が在職中に業務の改善で考えたExcel関数を思い出しながら解説するブログです。マイペースでぼちぼちやります。市販の解説本やヘルプには載っていないテクニックも使用します。狭くて深い領域で、一部の人しか参考にならないかもしれませんが、他に応用できる事もあると思います。

一度投稿した記事は、後で誤りを訂正したり、分かりやすく直す事があるかもしれません。

<このプログの関数で出来る事>
・Excel関数で減価償却費をリアルタイムに高速計算する
 現有固定資産データから今後の減価償却費と簿価を計算
 設備投資予算から今後の減価償却費と簿価を計算
 

・減価償却費を減らす為の不要となったサービス用固定資産判定

上記2項をマスターすると、将来の減価償却費と廃却による特別損失のシュミレーションが出来ます。

ご意見、ご希望をお寄せ下さい。メールはelpinojp-bg()yahoo.co.jp宛に、()を@に変更してお送り下さい。

2012年9月12日水曜日

2-③<税制改正前>2007年3月使用開始以前の式(型とそれ以外共通)1/2



1.<平成19年度税制改正前資産用>

今回解説する式の位置







 





20073月使用開始までの定率償却資産用の式で、資産の種類は問わない。
旧資産の今年取得分の処理は、2008年以降は対象が無い為に入れていない。
(財務期首簿価からの計算しか有り得ないため)

<ここで扱う資産の一生>
取得価額の5%まで定率償却→5%に達したらその年内は5%のまま簿価据え置き、次の年から5%の簿価を5年の定額償却→5年後の12月に備忘価額1円を残して償却終了。

1-①未使用(固定資産台帳と同じ年の改訂取得価額)


1-②年内指定月 簿価計算(橙色のセル)
<式の全体>
=IF(ABS(BL6)<=ABS($AZ6*0.05),(BL6-($AZ6*0.05)/5*ES$3/12)*((ABS(BL6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(ES$3+1)/12))>0)+IF($AZ6>=1,1,-1)*((ABS(BL6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(ES$3+1)/12))<=0),(BL6-BL6*$AN6*ES$3/12)*(ABS(BL6-BL6*$AN6*ES$3/12)>ABS($AZ6*0.05))+($AZ6*0.05)*(ABS(BL6-BL6*$AN6*ES$3/12)<=ABS($AZ6*0.05)))


<上の式を分解して解説>
[5%から償却し、簿価1円に達したかどうかの判定注意]
固定資産台帳は毎月切り捨てで計算している。このため、MAX1円未満の誤差を累積する。4年間定額で償却した簿価を固定資産台帳から受け取った場合に、最大で1X12X448円簿価が高めに出る可能性が有る。この影響を避ける為に、12月で償却完了を判断しないで、もう1ヶ月先を計算してみてマイナスなら償却完了と判断する
=IF(ABS(BL6)<=ABS($AZ6*0.05),
期首簿価が償却限度以下の場合は、


償却限度から更に償却中で、簿価1円に達してない
定額償却>5年均等償却
①均等償却継続中  赤字は-取得価額対応
(BL6-($AZ6*0.05)/5*ES$3/12)
期首簿価-取得価額X0.05/5X月数/12


 *((ABS(BL6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(ES$3+1)/12))>0)
条件式→計算してみた次月簿価が0円を越えるなら
 
償却限度から簿価1円に達するか、既に達している  赤字は-取得価額対応


②均等償却最後の月以降
+IF($AZ6>=1,1,-1)*((ABS(BL6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(ES$3+1)/12))<=0),
(1円か-1円)*条件式→計算してみた次月簿価が0円以下なら

注)分割等の修正でマイナスの取得価額が生じた物は-1円を残す

 

 
以下は償却限度(取得価額の5%)以上でまだ旧方式で償却している場合
償却限度以上の場合
 
①償却限度に達しない
(BL6-BL6*$AN6*ES$3/12)
期首簿価-期首簿価X償却率X月数÷12

*(ABS(BL6-BL6*$AN6*ES$3/12)>ABS($AZ6*0.05))   絶対値同士の判定
条件式→計算する月の簿価がまだ償却限度以上の場合

 
償却限度にちょうど達する場合以降(同一年)

 <年の途中で償却限度に達した場合>
期首簿価が償却限度以下でなく、求める月が償却限度以下になった時は、年内の簿価は償却限度のままにする。
    
 ②償却限度に達する月以降の処理
  +($AZ6*0.05)
  取得価額X0.05(=償却限度額)

*(ABS(BL6-BL6*$AN6*ES$3/12)<=ABS($AZ6*0.05)))   絶対値同士の判定
条件式→計算してみた簿価が償却限度額以下なら

1-③年内指定月 償却費計算(桃色のセル)→新規取得は無いので、期首簿価からのみ計算
  <式の全体>
=IF(ABS(BL6)<=ABS($AZ6*0.05),($AZ6*0.05)/5/12*((ABS(BL6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(ES$3+1)/12))>0)+(($AZ6*0.05)/5/12-IF($AZ6>=1,1,-1))*((ABS(BL6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(ES$3+1)/12))<=0)*((ABS(BL6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(ES$3)/12))>1),(BL6*$AN6/12)*(ABS(BL6-BL6*$AN6*ES$3/12)>ABS($AZ6*0.05))+((BL6-BL6*$AN6*(ES$3-1)/12)-$AZ6*0.05)*(ABS(BL6-BL6*$AN6*ES$3/12)<=ABS($AZ6*0.05))*(ABS(BL6-BL6*$AN6*(ES$3-1)/12)>ABS($AZ6*0.05)))


<上の式を分解して解説>
=IF(ABS(BL6)<=ABS($AZ6*0.05),
期首簿価が償却限度以下なら

 <償却限度から定額償却中>
 
①まだ償却を終了しない場合

($AZ6*0.05)/5/12

*((ABS(BL6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(ES$3+1)/12))>0)
条件式→次の月で計算してみた簿価が0円を越えている場合は

 
②定額償却最後の月で、備忘価額1円(マイナスの取得価額の時は-1円)を残す為に1円(-1円)償却が少ない
 
固定資産台帳の切捨て誤差調整と1円残す処理
固定資産台帳は、5%から定額償却(端数切捨て)を開始して、60ヶ月目(5年目の12月)に切捨て誤差の調整と1円簿価を残す処理を行っている。
+(($AZ6*0.05)/5/12-IF($AZ6>=1,1,-1))

*((ABS(BL6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(ES$3+1)/12))<=0)
条件式1→次の月で計算してみた簿価が0円以下で

*((ABS(BL6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(ES$3)/12))>1),
条件式2→今月で計算してみた簿価が1円を越える場合

(条件式1,2はAND条件となる=両方満足した場合のみ1で、それ以外は0になる)

 
  
<定率償却中>

(BL6*$AN6/12)*(ABS(BL6-BL6*$AN6*ES$3/12)>ABS($AZ6*0.05))

そうでない場合は定率償却中で、以下の計算を行う。

期首簿価X償却率/12*条件式(求める月の簿価が取得の5%を越えている場合)
条件式は、条件を満足した時に”1”となり、満足しない時は”0”となる。
ここでの条件は、償却が終了する最後の月より前である事を見ている。
 

<定率償却が終了する月>

+((BL6-BL6*$AN6*(ES$3-1)/12)-$AZ6*0.05)

ちょうど償却が終わる月の端数を求める式である。
1ヶ月前の簿価-償却限度額(取得価額の5%)→5%になるまでに償却する額
以下は、償却が終わる月を検出する為の条件式で、その他の月は”0”となる。

*(ABS(BL6-BL6*$AN6*ES$3/12)<=ABS($AZ6*0.05))
求める月(ES$3)の簿価を計算すると簿価が5%以下になる場合で、
 
*(ABS(BL6-BL6*$AN6*(ES$3-1)/12)>ABS($AZ6*0.05)))
かつ、その1ヶ月前(ER$3-1)の簿価が5%を越えている場合

解説<旧定率法の5%に達する瞬間の処理>金型の例

2004/12        2006/12        2007/6  7          8          9                  12
取得                期末=期首        中間簿価
399,000       37,572              24,723

                                  上期償却費積上           下期償却額積上
                                             12,849              2,141    4,283    4,773    4,773
                      2,141.604/     12,849.624                    +2,142   +490
                                                                   月当たり            └償却限度に達する


1-2008/12 計算簿価(紫色のセル)→期末簿価=次の年の期首簿価となる
  <式の全体>
=IF(ABS(BL6)<=ABS($AZ6*0.05),(BL6-($AZ6*0.05)/5*12/12)*((ABS(BL6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(12+1)/12))>0)+IF($AZ6>=1,1-1)*((ABS(BL6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(12+1)/12))<=0),(BL6-BL6*$AN6*12/12)*(ABS(BL6-BL6*$AN6*12/12)>ABS($AZ6*0.05))+($AZ6*0.05)*(ABS(BL6-BL6*$AN6*12/12)<=ABS($AZ6*0.05)))

  <上の式を分解して解説>
   1-①の式で、入力月数を12に固定した式です。
     式はもっと簡単になりますが、わかり易くする為にES$312に置き換えたままにしてあります。

 =IF(ABS(BL6)<=ABS($AZ6*0.05),
  もし、期首簿価が償却限度以下なら、(以下の均等償却で1年経過した簿価となる)
 
償却限度5%から更に償却中で、簿価1円にまだ達しない
     
①定額償却継続中
,(BL6-($AZ6*0.05)/5*12/12)

*((ABS(BL6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(12+1)/12))>0)
条件式:計算してみた次月簿価(次の年の1月簿価)が0円を越えるなら→均等償却中

 
償却限度5%から簿価1円(又は-1円)に達するか、既に達している

②定額償却最後の月か既に終了

+IF($AZ6>=1,1-1)*((ABS(BL6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(12+1)/12))<=0),
1円(又は-1円)*条件式→計算してみた次月簿価が0円以下なら

 
<以下は償却限度をまだ越えていて、旧方式で償却している場合>

 (BL6-BL6*$AN6*12/12)
期首簿価-期首簿価X償却率とな

*(ABS(BL6-BL6*$AN6*12/12)>ABS($AZ6*0.05))
条件式→計算した期末簿価が償却限度を越える場合

 
今年償却限度5%に達する

+($AZ6*0.05)
取得価額X0.05=償却限度額
 
*(ABS(BL6-BL6*$AN6*12/12)<=ABS($AZ6*0.05)))
条件式→計算した期末簿価が償却限度以下の場合

(最初の条件と合わせると、期首簿価が償却限度以上で、期末簿価が償却限度になる場合は、年内は償却限度止まりとなり、次の年から5年定額償却を開始する)


 次号(旧資産で固定資産台帳の次の年以降の式)に続く
 

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