Excel関数の世界へようこそ

このブログは私が在職中に業務の改善で考えたExcel関数を思い出しながら解説するブログです。マイペースでぼちぼちやります。市販の解説本やヘルプには載っていないテクニックも使用します。狭くて深い領域で、一部の人しか参考にならないかもしれませんが、他に応用できる事もあると思います。

一度投稿した記事は、後で誤りを訂正したり、分かりやすく直す事があるかもしれません。

<このプログの関数で出来る事>
・Excel関数で減価償却費をリアルタイムに高速計算する
 現有固定資産データから今後の減価償却費と簿価を計算
 設備投資予算から今後の減価償却費と簿価を計算
 

・減価償却費を減らす為の不要となったサービス用固定資産判定

上記2項をマスターすると、将来の減価償却費と廃却による特別損失のシュミレーションが出来ます。

ご意見、ご希望をお寄せ下さい。メールはelpinojp-bg()yahoo.co.jp宛に、()を@に変更してお送り下さい。

2012年9月24日月曜日

2-④<税制改正後>2007年4月使用開始以後で型以外(2/2)

ご注意:このブログは連載になっていますので、前との関わりが有ります。

<今回解説する部分>式の行は6行目に変換しているので注意!
前年(固定資産台帳と同じ年)の12月計算簿価を利用して計算をする。
今回の式は、4列毎に右にコピーしていく事で、次の年、その次の年・・・と、指定した月の償却費と簿価が計算できる。償却が完了するまで計算が可能です。











 

2.<税制改正以後 金型2年償却以外

<ここで扱う資産の一生>・・・前回と同じ内容です
 
転換点(償却保証額>=その年度の償却費)まで定率償却を行う→転換点を迎えた年の期首簿価を改定取得価額として、この金額で定額償却を行う。転換点以降の償却率も改定償却率に切り換わる。
→定額償却が終了する年は年間償却金額から1円を引いて償却し、最後に1円の簿価を残す。

この意味が分からない方は、以下の国税庁HPに詳しい解説が有りますので、参照して下さい。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/hojin/h19/genkaqa.pdf

 
 2-⑤改訂取得価額

=IF(EQ6<>"",EQ6,IF(ABS(ET6*$AN6)<ABS($AZ6*$AQ6),ET6,""))

前年の改定取得価額がブランクで無かったら(転換点を過ぎていたら)その値を持ってくる。
次に期首簿価(前年12月の償却済簿価)と償却率(定率)から計算する年度の年間償却額を計算し、これと償却保証額(取得価額X財務保証率)を比較する。償却保証額の方が大きくなった時は、転換点を迎えたと判断し、期首簿価を代入する。これによりその年以降は均等償却(定額)を行う。

 

2-⑥次年度以降 簿価計算

<式の全体>・・・注意)他の式と比較する為に、式の行は6行目に合わせてある

=IF(EU6="",(ET6-ET6*$AN6*EW$3/12),IF(((ABS(ET6)-ABS(EU6*$AS6*2))>=0),(ET6-EU6*$AS6*EW$3/12),IF(((ABS(ET6)-ABS(EU6*$AS6))<0),IF($AZ6>=1,1,-1), (ET6-(EU6*$AS6-IF($AZ6>=1,1,-1))*EW$3/12))))

 
<上の式を分解して解説> 
 
=IF(EU6="",
改訂取得価額がブランクなら(転換点に達していなければ)以下の計算を行う

 
(ET6-ET6*$AN6*EW$3/12),
期首簿価-期首簿価X財務償却率X求める月数/12

定率償却を行う。

 

改訂取得価額がブランクでなければ(転換点に達していれば)以下の計算を行う

 

IF(((ABS(ET6)-ABS(EU6*$AS6*2))>=0),(ET6-EU6*$AS6*EW$3/12),
もし、次の年がまだ定額償却続く時(定額償却で最後の年より前の場合)
期首簿価-改定取得価額X財務改訂償却率X求める月数/12

 
以下は償却が終了した後の処理で全て1円(負の取得では-1円)にする
IF(((ABS(ET6)-ABS(EU6*$AS6))<0),IF($AZ6>=1,1,-1),

 
残りは定額償却で償却が終了する最後の年になる
(ET6-(EU6*$AS6-IF($AZ6>=1,1,-1))*EW$3/12))))
期首簿価-(期首簿価X財務改訂償却率-1(負の取得では-1X月数/12
定額償却の最後の年は、12月のみ1円(負の取得では-1円)が残る


2-⑦次年度以降 償却計算

<式の全体>・・・注意)他の式と比較する為に、式の行は6行目に合わせてある
=IF(EU6="",(ET6*$AN6/12),(EU6*$AS6/12)*((ABS(ET6)-ABS(EU6*$AS6*2))>=0)+(ET6-IF($AZ6>=1,1,-1))/12*((ABS(ET6)-ABS(EU6*$AS6*2))<0))


<上の式を分解して解説>

=IF(EU6="",
改訂取得価額がブランクなら(転換点に達していなければ)以下の計算を行う

 
(ET6*$AN6/12),
期首簿価X財務償却率÷12=1ヶ月の償却費(定率法)
従来の定率法の計算

 
改訂取得価額がブランクでなければ(転換点に達していれば)以下の計算を行う
(EU6*$AS6/12)*((ABS(ET6)-ABS(EU6*$AS6*2))>=0)
改訂取得価額X財務償却率÷12 *以下は条件式で、

次の年度の簿価が0以上なら(転換点を過ぎて償却完了する年でなければ)
改訂取得価額X財務改訂償却率÷12=1ヶ月の償却費(定額法)

 
+(ET6-IF($AZ6>=1,1,-1))/12*((ABS(ET6)-ABS(EU6*$AS6*2))<0))
(財務期首簿価-1円(負の取得では-1円))÷12 *以下は条件式で
次の年度の簿価が0未満なら(転換点を過ぎて償却完了する年以降)

 

2-⑧次年度以降 12月簿価

<式の全体>・・・注意)他の式と比較する為に、式の行は6行目に合わせてある
=IF(EU6="",(ET6-ET6*$AN6),IF((ABS(ET6)-ABS(EU6*$AS6))<1,IF($AZ6>=1,1,-1),(ET6-EU6*$AS6)))


 <上の式を分解して解説>

=IF(EU6="",
改訂取得価額がブランクなら(転換点に達していなければ)以下の計算を行う


(ET6-ET6*$AN6),
期首簿価-期首簿価X財務償却率

  
改訂取得価額がブランクでなければ(転換点に達していれば)以下の計算を行う
IF((ABS(ET6)-ABS(EU6*$AS6))<1,IF($AZ6>=1,1,-1),
もし、期首簿価-改定取得価額X財務改訂償却率が1以下なら(計算してみた12月の簿価が1円以下なら)1円(負の取得なら-1円)にする。(転換点を過ぎて償却完了する年以降)
 

(ET6-EU6*$AS6)))
そうでなければ(転換点を過ぎて定額償却中)、期首簿価-改定取得価額X財務改訂償却率


以上です。関数だけで計算できる事がお分かり戴けましたでしょうか?
とりあえず式を一通り公開して、その後で各関数の解説をしていきたいと思います。

では次回は、税制改正後の2年償却の型で、償却費と簿価を求める関数です。

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