前回の式を見てその長さにびっくりされた方も居られると思いますが、一つ一つの式は簡単な式です。複雑な制度を自動で判断する為に、こういう場合はこういう計算をする、というのをつなげただけです。関数の弱点はマクロの様に処理のループが出来ない事で、同じ計算を何度もしなければならなくなる事です。逆にこれが利点で、1回の計算で済んでしまうので、マクロだと一晩掛かる数千点の計算を瞬時にこなす事が出来ます。ぜひ、あなたの会社に合った関数にアレンジして活用される事を望んでいます。
1-⑤未使用(改訂取得価額の計算 次年度以降用)
1-⑥次年度以降 簿価計算
<式の全体>
=IF(ABS(ET6)<=ABS($AZ6*0.05),IF((((ABS(ET6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(EW$3+1)/12)))<0),IF($AZ6>=1,1,-1),((ET6-($AZ6*0.05)/5*EW$3/12))),(ET6-ET6*$AN6*EW$3/12)*(ABS(ET6-ET6*$AN6*EW$3/12)>ABS($AZ6*0.05))+($AZ6*0.05)*(ABS(ET6-ET6*$AN6*EW$3/12)<=ABS($AZ6*0.05)))
<上の式を分解して解説>
<式の全体>
=IF(ABS(ET6)<=ABS($AZ6*0.05),IF((((ABS(ET6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(EW$3+1)/12)))<0),IF($AZ6>=1,1,-1),((ET6-($AZ6*0.05)/5*EW$3/12))),(ET6-ET6*$AN6*EW$3/12)*(ABS(ET6-ET6*$AN6*EW$3/12)>ABS($AZ6*0.05))+($AZ6*0.05)*(ABS(ET6-ET6*$AN6*EW$3/12)<=ABS($AZ6*0.05)))
=IF(ABS(ET6)<=ABS($AZ6*0.05),
期首簿価(前年の12月簿価)が償却限度以下の場合、<償却限度5%から定額償却中>へ
そうでない場合は<償却限度に達せず、定率償却中>へ
固定資産台帳は切捨てで償却費を計算している。このため、固定資産台帳から受け継ぐ期首簿価は切捨ての累積分償却が少なく、そのまま計算すると、最後の月に余りが出る。余りの値は変動するので、償却を終了する次の月の計算簿価が負になるかどうかで償却終了を判定する。 |
<償却限度5%から定額償却中>
IF((((ABS(ET6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(EW$3+1)/12)))<0),
計算する次の月の簿価を計算してみてマイナスだったらIF($AZ6>=1,1,-1),
1(マイナスの取得価額の時は-1)にする。(定額償却最後の月かそれ以降)それ以外(プラスかゼロ)だったら定額償却の簿価計算
<償却限度に達せず、定率償却中>
(ET6-ET6*$AN6*EW$3/12)
通常の定額償却の簿価計算
*(ABS(ET6-ET6*$AN6*EW$3/12)>ABS($AZ6*0.05))
条件式→計算してみて償却限度を越えている場合
+($AZ6*0.05)
償却限度(5%)にする
*(ABS(ET6-ET6*$AN6*EW$3/12)<=ABS($AZ6*0.05)))
条件式→計算してみて償却限度以下の場合は、計算する年の途中で償却限度に達した。
以降、年内は償却限度のままで、次年度から定額償却(5年)に移行する。
1-⑦次年度以降 償却費計算
<式の全体>
=IF(ABS(ET6)<=ABS($AZ6*0.05),IF(((ABS(ET6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(EW$3+1)/12))>=0),(($AZ6*0.05)/5/12),(($AZ6*0.05)/5/12-IF($AZ6>=1,1,-1))*((ABS(ET6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(EW$3+1)/12))<0)*((ABS(ET6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(EW$3)/12))>=0)),(ET6*$AN6/12)*(ABS(ET6-ET6*$AN6*EW$3/12)>ABS($AZ6*0.05))+((ET6-ET6*$AN6*(EW$3-1)/12)-$AZ6*0.05)*(ABS(ET6-ET6*$AN6*EW$3/12)<=ABS($AZ6*0.05))*(ABS(ET6-ET6*$AN6*(EW$3-1)/12)>ABS($AZ6*0.05)))
<式の全体>
=IF(ABS(ET6)<=ABS($AZ6*0.05),IF(((ABS(ET6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(EW$3+1)/12))>=0),(($AZ6*0.05)/5/12),(($AZ6*0.05)/5/12-IF($AZ6>=1,1,-1))*((ABS(ET6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(EW$3+1)/12))<0)*((ABS(ET6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(EW$3)/12))>=0)),(ET6*$AN6/12)*(ABS(ET6-ET6*$AN6*EW$3/12)>ABS($AZ6*0.05))+((ET6-ET6*$AN6*(EW$3-1)/12)-$AZ6*0.05)*(ABS(ET6-ET6*$AN6*EW$3/12)<=ABS($AZ6*0.05))*(ABS(ET6-ET6*$AN6*(EW$3-1)/12)>ABS($AZ6*0.05)))
(⑤~⑧の4列をまとめて次々とコピーする事で、次の年の計算にアドレスが自動修正される)
=IF(ABS(ET6)<=ABS($AZ6*0.05),
もし、期首簿価が償却限度以下であれば、(定額償却5年に、そうでなければ定率償却を行う
IF(((ABS(ET6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(EW$3+1)/12))>=0),
もし計算する次月簿価が0以上なら(償却最後の月より前なら)
(($AZ6*0.05)/5/12),
5年均等償却を行う。
<以下は償却最後の月の処理>
(($AZ6*0.05)/5/12-IF($AZ6>=1,1,-1))
備忘価額1円(マイナス取得価額の時は-1円)を除いた償却費にする
*((ABS(ET6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(EW$3+1)/12))<0)
条件式1→次の月で計算してみた簿価がマイナスで
*((ABS(ET6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*(EW$3)/12))>=0)),
条件式2→今月で計算してみた簿価が0以上の場合→定額償却最後の12月
<定率償却継続中>
(ET6*$AN6/12)
期首簿価X財務償却率÷12
*(ABS(ET6-ET6*$AN6*EW$3/12)>ABS($AZ6*0.05))
条件式→計算してみたその月の簿価が償却限度以上の場合
<定率償却最後の月>償却限度(=取得価額の5%)との差額を求める
+((ET6-ET6*$AN6*(EW$3-1)/12)-$AZ6*0.05)
求める月の前月の簿価-償却限度(償却最後の月の端数処理)
*(ABS(ET6-ET6*$AN6*EW$3/12)<=ABS($AZ6*0.05))
条件式1→求める月の計算してみた簿価が償却限度以下で
*(ABS(ET6-ET6*$AN6*(EW$3-1)/12)>ABS($AZ6*0.05)))
条件式2→求める月の前月の計算してみた簿価が償却限度を越えている場合
1-⑧次年度以降 12月簿価計算
<式の全体>
=IF(ABS(ET6)<=ABS($AZ6*0.05),(ET6-($AZ6*0.05)/5)*((ABS(ET6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*13/12))>0)+IF($AZ6>=1,1,-1)*((ABS(ET6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*13/12))<=0),(ET6-ET6*$AN6)*(ABS(ET6-ET6*$AN6)>ABS($AZ6*0.05))+($AZ6*0.05)*(ABS(ET6-ET6*$AN6)<=ABS($AZ6*0.05)))
=IF(ABS(ET6)<=ABS($AZ6*0.05),
期首簿価が償却限度以下の場合は、
<定額償却継続中>
(ET6-($AZ6*0.05)/5)
定額償却(5年均等償却)の簿価
*((ABS(ET6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*13/12))>0)
条件式→計算してみた次年度1月の簿価が0円を越えるなら
+IF($AZ6>=1,1,-1)
簿価1円(マイナスの取得価額の時は-1円)にする。
*((ABS(ET6)-ABS(($AZ6*0.05)/5*13/12))<=0),
条件式→計算してみた次年度1月の簿価が0円以下なら
(今年が均等償却最後の年か、償却終わった年)→備忘価額1円にする。
<定率償却中>
(ET6-ET6*$AN6)
定率償却の簿価
*(ABS(ET6-ET6*$AN6)>ABS($AZ6*0.05))
条件式→計算してみた期末簿価が償却限度を越えている場合
+($AZ6*0.05)
償却限度額
*(ABS(ET6-ET6*$AN6)<=ABS($AZ6*0.05)))
条件式→計算してみた期末簿価が償却限度以下の場合
以上で平成19年度税制改正前の資産用式は終了です。次回からは税制改正後の資産用式で2年償却の金型以外と金型のグループです。
税制改正前の資産用の式の資料は、随分昔に考えたのでハードディスクが壊れたPCに残っていると思います。救済して取り出そうとしていますが、ハードデスクのデータを二進法で直接編集しないと直せないので時間も無くて長引いています。今回はとりあえず易しい解説無しで公開しますが、時間を見つけてできたら式の切り換わるポイントを解説した資料を後で追加したいと思います。
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