Excel関数の世界へようこそ

このブログは私が在職中に業務の改善で考えたExcel関数を思い出しながら解説するブログです。マイペースでぼちぼちやります。市販の解説本やヘルプには載っていないテクニックも使用します。狭くて深い領域で、一部の人しか参考にならないかもしれませんが、他に応用できる事もあると思います。

一度投稿した記事は、後で誤りを訂正したり、分かりやすく直す事があるかもしれません。

<このプログの関数で出来る事>
・Excel関数で減価償却費をリアルタイムに高速計算する
 現有固定資産データから今後の減価償却費と簿価を計算
 設備投資予算から今後の減価償却費と簿価を計算
 

・減価償却費を減らす為の不要となったサービス用固定資産判定

上記2項をマスターすると、将来の減価償却費と廃却による特別損失のシュミレーションが出来ます。

ご意見、ご希望をお寄せ下さい。メールはelpinojp-bg()yahoo.co.jp宛に、()を@に変更してお送り下さい。

2012年9月20日木曜日

2-④<税制改正後>2007年4月使用開始以後で型以外(1/2)

ご注意:このブログは連載になっていますので、前との関わりが有ります。

<今回解説する部分>式の行は6行目に変換しているので注意!
固定資産台帳と同じ年の計算→今年使用開始した資産の処理が必要














2.<税制改正以後 金型2年償却以外

<ここで扱う資産の一生>

転換点(償却保証額>=その年度の償却費)まで定率償却を行う→転換点を迎えた年の期首簿価を改定取得価額として、この金額で定額償却を行う。転換点以降の償却率も改定償却率に切り換わる。
  →定額償却が終了する年は年間償却金額から1円を引いて償却し、最後に1円の簿価を残す。
 
この意味が分からない方は、以下の国税庁HPに詳しい解説が有りますので、参照して下さい。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/hojin/h19/genkaqa.pdf


 
2-①改訂取得価額

=IF(BA6="","",BA6)

固定資産台帳の財務改訂取得価額と同じ値が入る。

既に転換点を過ぎている場合(転換点になった年の期首簿価が入る)か、固定資産台帳の年から転換点の場合(財務期首簿価が入る)に、データが入っている。転換点前はブランクになっている。

ここにデータが有ると、償却計算は定額法(均等償却)と判断し、償却率も財務改定償却率で計算を行う。

 

2-②年内指定月 簿価計算

  <式の全体>・・・注意)他の式と比較する為に、式の行は6行目に合わせてある
=IF(VALUE(LEFT(AW6,4))=$ER$3,(AZ6-AZ6*AN6/12*($ES$3-VALUE(RIGHT(AW6,2)-1)))*(VALUE(RIGHT(AW6,2))<=$ES$3),IF(EQ6="",(BL6-BL6*$AN6*ES$3/12),IF(((ABS(BL6)-ABS(EQ6*$AS6*2))>=0),(BL6-EQ6*$AS6*ES$3/12),IF(((ABS(BL6)-ABS(BQ6*$AS6))<0),IF($AZ6>=1,1,-1),(BL6-(EQ6*$AS6-IF($AZ6>=1,1,-1))*ES$3/12)))))


<上の式を分解して解説>
=IF(VALUE(LEFT(AW6,4))=$ER$3,
使用開始年月(文字列)から年の4文字を取り出し、数値に変換して今年の年号と比較
  今年使用開始の資産を検出(2009年になった場合は$ER$32009に書き換えればそのまま使用できる。・・・ここでは式を作った2008年をベースにしています

今年使用開始(定率法で使用開始月より前の簿価はゼロにする)  
 今年使用開始資産の計算

(AZ6-AZ6*AN6/12*($ES$3-VALUE(RIGHT(AW6,2)-1)))
取得価額-取得価額X償却率/12X(計算月-使用開始月-1)
 
  *(VALUE(RIGHT(AW6,2))<=$ES$3),
条件式→使用開始月より前の月の計算はゼロにする処理




昨年以前使用開始で転換点に達していない 
昨年以前使用開始資産の計算(20074月以降に限る→未チェック)

IF(EQ6="",(BL6-BL6*$AN6*ES$3/12),
改訂取得価額がブランクなら、期首簿価-期首簿価X償却率X月数/12
(転換点に達していないなら)





昨年以前使用開始で既に転換点に達していて、今年定額償却は終了しない
IF(((ABS(BL6)-ABS(EQ6*$AS6*2))>=0),
もし、期首簿価-改定取得価額X改訂償却率X2(来年の期末簿価)がゼロ以上なら、

 (BL6-EQ6*$AS6*ES$3/12),
期首簿価-改定取得価額X改訂償却率X月数/12





以下は定額償却が終了した後の処理で全て1円(取得価額が負の時は-1円)にする
  IF(((ABS(BL6)-ABS(BQ6*$AS6))<0),IF($AZ6>=1,1,-1),



残りは定額償却で償却が終了する最後の年になる   
 (BL6-(EQ6*$AS6-IF($AZ6>=1,1,-1))*ES$3/12)))))
期首簿価-(改定取得価額X改訂償却率-1(取得が負の時は-1))X月数/12
   
(注)備忘価額の1円(又は-1円)は、定額償却が終了する年の年間償却費
から差し引く(固定資産台帳の仕様に合わせる)



 
  2-③年内指定月 償却計算

 <式の全体>・・・注意)他の式と比較する為に、式の行は6行目に合わせてある

=IF(VALUE(LEFT(AW6,4))=$ER$3,AZ6*AN6/12*(VALUE(RIGHT(AW6,2))<=$ES$3),IF(EQ6="",(BL6*$AN6/12),(EQ6*$AS6/12)*((ABS(BL6)-ABS(EQ6*$AS6*2))>=0)+(BL6-IF($AZ6>=1,1,-1))/12*((ABS(BL6)-ABS(EQ6*$AS6*2))<0)))


 
  <上の式を分解して解説>
=IF(VALUE(LEFT(AW6,4))=$ER$3,
使用開始年月(文字列)から年の4文字を取り出し、数値に変換して今年の年号と比較

2008年使用開始の資産を検出(2009年になった場合は$ER$32009に書き換えればそのまま使用できる。
 
AZ6*AN6/12*(VALUE(RIGHT(AW6,2))<=$ES$3),
              使用開始月    求める月

取得価額X償却率/12(条件式)
今年の償却費を求める
条件式→取得月<=求める月・・・取得月より前の計算はゼロにする処理
 

IF(EQ6="",(BL6*$AN6/12),
もし、改訂取得価額がブランクなら(まだ転換点に達していないなら)
期首簿価X償却率÷12 (通常の定率償却の月間償却費)

 

(EQ6*$AS6/12)*((ABS(BL6)-ABS(EQ6*$AS6*2))>=0)
改訂取得価額がブランクでなく、計算してみた次年度の簿価がまだ0以上なら(定額償却継続中なら)
改訂取得価額X改訂償却率÷12が月間償却費になる。
 

+(BL6-IF($AZ6>=1,1,-1))/12*((ABS(BL6)-ABS(EQ6*$AS6*2))<0)))
改訂取得価額がブランクでなく、計算してみた次年度の簿価がマイナスなら定額償却最後の年以降になる。償却終了後は、財務期首簿価が1円(又は-1円)の為に上の式は1-1でゼロになる。
(財務期首簿価-1円(又は-1円)÷12が月間償却費となる。
 
★1円残す処理は固定資産台帳に一致している。(最後の1年分で調整している)

 

   
2-④年内期末簿価(=次年度期首簿価)計算

<式の全体>・・・注意)他の式と比較する為に、式の行は6行目に合わせてある
=IF(VALUE(LEFT(AW6,4))=$ER$3,(AZ6-AZ6*AN6/12*(12-VALUE(RIGHT(AW6,2)-1)))*(VALUE(RIGHT(AW6,2))<=12),IF(EQ6="",(BL6-BL6*$AN6*12/12),IF(((ABS(BL6)-ABS(EQ6*$AS6*2))>=0),(BL6-EQ6*$AS6*12/12),IF(((ABS(BL6)-ABS(EQ6*$AS6))<0),IF($AZ6>=1,1,-1),(BL6-(EQ6*$AS6-IF($AZ6>=1,1,-1))*12/12)))))

 
<上の式を分解して解説>
=IF(VALUE(LEFT(AW6,4))=$ER$3,
  使用開始年月(文字列)から年の4文字を取り出し、数値に変換して今年の年号と比較
  今年使用開始の資産を検出(2009年になった場合は$EQ$32009に書き換えればそのまま使用できる。

 
(AZ6-AZ6*AN6/12*(12-VALUE(RIGHT(AW6,2)-1)))*(VALUE(RIGHT(AW6,2))<=12),
  取得価額-取得価額X償却率X(12-使用開始月+1)/12
                                                 12月迄の経過月数

 
IF(EQ6="",(BL6-BL6*$AN6*12/12),
もし、改訂取得価額がブランクなら(まだ転換点を過ぎていない)、
財務期首簿価-財務期首簿価X財務償却率

 
  
IF(((ABS(BL6)-ABS(EQ6*$AS6*2))>=0),
もし、転換点を過ぎていて、計算してみた来年の期末簿価がゼロ以上なら
  (定額償却継続中なら)

 
(BL6-EQ6*$AS6*12/12),
財務期首簿価-改定取得価額X財務改訂償却率

 
  
IF(((ABS(BL6)-ABS(EQ6*$AS6))<0),IF($AZ6>=1,1,-1),
もし、財務期首簿価-改訂取得価額X財務改訂償却率がマイナスなら1(負の取得の時は-1)にする。
  (定額償却終了している)

 
(BL6-(EQ6*$AS6-IF($AZ6>=1,1,-1))*12/12)))))
そうでなければ、今年定額償却終了なので、
財務期首簿価-(改訂取得価額X財務改訂償却率-1(負の取得では-1))

 
以上で税制改正以後 金型2年償却以外の資産の固定資産台帳と同じ年の計算を終わります。次回は固定資産台帳の次の年以降の計算です。2/2に続く

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